前回に引き続き、フライボールレボリューションへの見解を発表します。フライを打つことでヒットを量産するフライボールレボリューションですが、バレルゾーンを撃ち抜くための条件の関係で全ての打者に有効ではありません。特に少年野球なら尚更。それでも私は子どもたちにフライを打ち上げるように指導します。それは何故か?
(1)遠くに飛ばす力を養うために全力でフライを打つように指導します
(2)レベルが上がるに連れて転がすだけでは通用しなくなる
(3)安易な左打ち転向も疑問
(4)野球の進化に置いていかれためにも個の力を伸ばす
(1)遠くに飛ばす力を養うために全力でフライを打つように指導します
求められる身体能力の関係で、フライボールレボリューションは少年野球では実現できない打撃理論です。しかし私は子供の内から遠くに飛ばす力を養ってもらうために、フライを打つように指導します。少年野球では全力でスイングして遠くに飛ばそうと努力をしないと長打力を身につけることができません。今現在、子供が遠くに飛ばす力が弱かったとしても、将来的な長打力を身に着けさせるためにフライを打ち上げさせます。
(2)レベルが上がるに連れて転がすだけでは通用しなくなる
「転がせば何かが起きる」と言われている、ダウンスイングでゴロを打たせる指導にも疑問が残ります。確かに状況次第では確実に得点するためにゴロを打つ技術が求められる場合があります。特に少年野球ならゴロを転がせば、内野手がエラーをする可能性が高く出塁しやすいのも事実です。しかし、常にゴロばかり狙わせていたら遠くに飛ばす力を養うことができません。
(3)安易な左打ち転向も疑問
他にも私は安易に左打ちに転向させるようなこともしません。指導者によっては右打ちの子供を左打ちに転向させます。左打席は一塁までが近いので、身体能力が優れた子供なら内野安打を狙いやすいのです。何故にこの様な指導を行うかというと、目先の勝利を優先させてしまうからです。確かにある程度までは勝てるでしょうが、果たしてそれが本当に子供の野球上達に繋がるのでしょうか?
目先の結果ばかりを追い求める野球をしていると、子供の本来の特性を伸ばす機会を損失してしまいます。本当は長距離砲になれる可能性がある子どもを、指導者の型にはめてしまい伸び悩んでしまったら取り返しの使いない機会損失です。実際、近年のNPBでの右の和製大砲が減少した理由は右投げ左打ちが増加したためだと考えられています。
(4)野球の進化に置いていかれためにも個の力を伸ばす
目まぐるしく野球の進化に置いていかれないためにも、まずは型にはめた指導を行うのではなく、個の力を伸ばす必要があります。自身の特性を伸ばしていく過程で野球を好きな気持を最大化して、好循環を作ってあげます。今回、題材にしたらフライボールレボリューションはもちろん、野球の技術は常に進化しているので柔軟に対応できる土壌をつくるためにもまずは個の力を伸ばして上げる必要があるのです。