(1)コントロールの重要性を確認
(2)パラボリック(山なり)に投げることでコントロール向上
(3)深視力感覚が向上することでコントロールが向上する
(4)バスケットボールがヒントになったパラボリックスロー
(5)大切なのはパラボリックスローを継続すること
(6)どんな場所でも、物でも直ぐにパラボリックスローができるから継続しやすい
(7)野手の送球イップスの解消にも効果がある可能性も
(1)コントロールの重要性を確認
パラボリックスローについて解説を進める前に、まずはピッチャーのコントロールの重要性について確認したいと思います。野球において、特にピッチャーはコントロールが非常に大切です。コントロールが優れていてば無駄な四死球をへらすことができるので、自ずとランナーを出す確率を減少させることができます。コントロールが優れていてば甘いコースに行ってしまう確率が減るので、比例して痛打を浴びる確率も減少します。
(2)パラボリック(山なり)に投げることでコントロール向上
そこでコントロールを上達させるために推奨したい練習方法の一つが筑波大学体育系准教授の川村卓氏によって考え出された、パラボリックスローです。パラボリック(山なり)のボールを目標に向かって投げる練習を繰り返すことでコントロールが向上します。
具体的な練習方法ですが、約10m離れたゴミ箱(高さ150cm 直径43cm)に向かってボールを投げ入れるだけです。30球を1セットとします。1セット程度を行うだけも十分な効果を得ることができます。普段の投球フォームではなく、遊び感覚で指先の感覚を意識しながら山なりに投げてください。
このパラボリックスローの効果は実際に認められていて大学生の場合は直ぐにコントロールが向上しました。中学生はしっかりと続けて行うことで、パラボリックスローを実践した選手のほうがコントロールが上達しました。
(3)深視力感覚が向上することでコントロールが向上する
パラボリックスローを実践することで深視力感覚を向上させることができて、コントロール上達に繋げることができます。深視力感覚とは簡単に言ってしまえば目標物までの距離感を把握するための能力です。
(4)バスケットボールがヒントになったパラボリックスロー
このパラボリックスローは実ははバスケットボールのフリースローがヒントになって誕生しました。フリースローで優れた成績を残している選手は深視力感覚が優れているという研究結果が出されています。そこフリースローがヒントとなり腰や肘に負担をかけずにコントロールを向上させる方法としてパラボリックスローが開発されました。
(5)大切なのはパラボリックスローを継続すること
このパラボリックスローはゴミ箱にボールを入れることよりも、繰り返して続けることに意味があります。綺麗にいれることも大切ですが、何度も繰り返して取り組むことでコントロールが上達します。
(6)どんな場所でも、物でも直ぐにパラボリックスローができるから継続しやすい
距離と目標物を変えれば、どんな場所でもパラボリックスローを実践することができます。目標物はどんな大きさでもいいですし、なんならバスケットボールのゴールだってOKです。他にも自宅のリビングで家庭用のゴミ箱に向かって、100円ショップで買ってきたピンポン玉を2mの距離から投げるというのでも代用することができます。パラボリックスローの練習は非常に継続しやすいのです。
(7)野手の送球イップスの解消にも効果がある可能性も
このパラボリックスローは野手の送球イップスの解消にも効果があるとのことです。もちろん、イップスは精神的な面が原因となっている場合が大きいですし、克服するためのトレーニングとして合う人もいれば合わない人も居ます。しかしながら、イップスになってしまった場合、解消するためのドリルとして効果を発揮できる可能性があるので一度、取り組んでみてください。