左利きの捕手は本当に存在しないのか?




(1)NPB、MLBで左投げの捕手はほぼ存在しない
(2)左投げのキャッチャーはハンデが多い
(2-1)本塁から二塁への送球がしにくい
(2-2)本塁から三塁への送球がしにくい
(2-3)本塁上のでクロスプレー時に利き手を痛めやすい
(2-4)本塁のスライディングに対して、全て追いタッチになる
(3)捕手をやれる才能がある左利きは投手をまかされる
(4)「右投げ」に挑戦してみるのも一つの選択肢
(5)投げる腕は指導者と相談して決めよう

(1)NPB、MLBで左投げの捕手はほぼ存在しない

これまでのNPBとMLBを見渡すと、左投げの捕手はほぼ存在しません。アマチュアなら2000年夏に甲子園に長嶺勇也さんが左投げの捕手として出場して話題を集めましたが、後に続く選手が登場しませんでした。何故、左投げの捕手が存在しないのか?そして左利きの捕手は本当に存在しないのか?改めて検証していきましょう。

(2)左投げのキャッチャーはハンデが多い

主に送球面と、本塁上のプレーのし辛さから左投げの捕手は不利です。アマチュアレベルではそこまでハンデが表面化することはないでしょうが、プロレベルになると微差が大差になります。

(2-1)本塁から二塁への送球がしにくい

右打打者時に二塁へ送球しにくいです。ただし、現在は左打者も増えているので必ずしも不利と断定では出来ません。

(2-2)本塁から三塁への送球がしにくい

本塁から三塁への送球時に一度、身体を反転させる必要があるためロスが生じます。この一瞬の遅れがプロ野球の世界では致命傷になります。

(2-3)本塁上のでクロスプレー時に利き手を痛めやすい

左方向からランナーが本塁へ突入してくるため、交錯して利き腕を痛める危険性が高いです。怪我をしてしまってはそもそも、試合に出場できなくなってしまいます。

(2-4)本塁のスライディングに対して、全て追いタッチになる

本塁上でのランナーとのクロスプレー時、タッチするのミットをはめた右手になるため追いタッチとなってしまいます。一点を守り切らなくてはならないような状況では、致命傷になる可能性が非常にたかいです。

(3)捕手をやれる才能がある左利きは投手をまかされる

上記で示した欠点を全てカバーできるのほどの身体能力がある選手ならば、ますます投手をまかされるでしょう。野球では左投げの投手は絶対数が少なく、非常に貴重な存在です。仮に左投げの不利をカバーできるほどの身体能力があるならば、投手起用すれば際立ったパフォーマンスを発揮することが想像されます。また仮に投手の道が断念されてしまったとしても一塁手、外野手への転向の道が残っています。

(4)「右投げ」に挑戦してみるのも一つの選択肢

ここまで左投げの捕手の不利な点を解説しましたが、実は左利きの捕手がNPBに存在することをご存知でしょうか?埼玉西武ライオンズの炭谷銀仁朗選手は「右投げ右打ちで」すが、じつは左利きだと言われています。実際、左手でサインを書いている模様を何度もファンの皆様に目撃されています。右投げでも問題が無ければ、捕手への挑戦も問題ないでしょう。

ポジションは違いますが左利きでも、右投げに矯正して活躍している選手が沢山、存在します。以下は右投げを選択したプロ野球選手達です。

則本昂大(投手 右投げ左打ち)
由規(投手 右投げ左打ち)
岩隈久志(投手 右投げ右打ち)
坂本勇人(遊撃手 右投げ右打ち)
鳥谷敬(二塁手/三塁手/遊撃手 右投げ右打ち)

(5)投げる腕は指導者と相談して決めよう

投げる腕は、指導者と相談しながら決めることを強く推奨します。元東京ヤクルトスワローズの投手で、現在は北海道日本ハムファイターズで通訳を務めているラファエル・フェルナンデスさんは左利きですが、指導者と相談した上で右投げを選択しました。遠投を行ったことで右投げのほうが強い球を投げれることが判明したのです。指導者のアドバイスは野球を長く楽しむために有効です!