何故、プロ野球は宮崎・沖縄でキャンプをするのか?




2月といえばプロ野球のキャンプが始まる時期ですね。プロ野球のキャンプ地を思い浮かべると大多数の人が宮崎・沖縄を想像するのではないでしょうか?本日は何故、プロ野球のキャンプ地が宮崎・沖縄に集中するのか考えてみたいと思います。

(1)各球団のキャンプ地を確認
(2)キャンプ地に求められる条件を確認
(3)キャンプの目的を確認
(3-1)安全に「体力作り」「コンディション調整」を行う地として宮崎・沖縄が最適
(3-2)程よくリラックスできる環境としても宮崎・沖縄が最適
(4)自治体の協力があったからこそ宮崎・沖縄はキャンプの地に選ばれる

(1)各球団のキャンプ地を確認

まずは2018年度の12球団のキャンプ地をまとめました。


以上のことからプロ野球のキャンプ地が宮崎・沖縄に集中していることがわかるかと思います。

(2)キャンプ地に求められる条件を確認

続いてはキャンプ地に求められる条件を考察してみましょう。

(3)キャンプの目的を確認

キャンプでの主な目的はシーズンをベストパフォーマンスで戦い抜くための「体力作り」、筋力トレーニングをはじめとした「コンディション調整」の2点を行うことです。

(3-1)安全に「体力作り」「コンディション調整」を行う地として宮崎・沖縄が最適

「体力作り」「コンディション調整」の2点で考えると、気温が低すぎる場所でのキャンプは不適切だと言えるでしょう。気温が低いと体温も低下するので、筋弛緩がしづらくなり肉離れのリスクが非常に高まります。肉離れを患ってしまうと完治するまでに約一ヶ月近くチームから離脱をすることになるので、これではキャンプの意味がありません。

では常夏の地が正解なのか?それも違います。連日30度を超える地では熱中症のリスクがあるため、下半身を鍛え込むための走り込みも満足に行うことができません。投球練習、守備練習といった反復練習も高温が原因でバテやすくなるので十分な数をこなすことができません。他にも日本に戻った時に寒暖の差のために身体が順応するまでに時間が必要です。常夏の地の身体を動かしやすい環境のせいで身体が仕上がったと勘違いしてしまう場合もあります。以上の気候条件を総合すると程よい気候で怪我のリスクを抑え、寒暖の差による順応の手間が少ないキャンプ地として宮崎・沖縄が優れていることがでよく分かります。

(3-2)程よくリラックスできる環境としても宮崎・沖縄が最適

根を詰めて練習し続けても良い結果を得ることができません。適度に心身をリラックスできる環境も用意してあったほうが選手達の運動パフォーマンスは向上します。美しい風景、充実した食事を楽しめる環境を満たせる土地を考えるとやはり宮崎・沖縄と言った南国が最適でしょう。以上のことから宮崎・沖縄と言った日本の南国がキャンプの効果を最大限に享受するための土地として最適だと考えられます。

(4)自治体の協力があったからこそ宮崎・沖縄はキャンプの地に選ばれる

宮崎・沖縄がプロ野球のキャンプ地として優れていることが分かりました。しかし気候条件・環境条件だけでプロ野球のキャンプの場所として選ばれるわけではりません。自治体が弛まぬ努力を続けてきたからこそ、キャンプ地として選ばれ続けているのです。

実際、1957年に一度、沖縄はキャンプ不適合という烙印を押されたことがあります。原因は練習できる施設が少なく、キャンプの地として不十分だったのです。1979年に日本ハムファイターズが沖縄・名護でキャンプを行うまでは敬遠されていました。

キャンプ地に選ばれる土地はプロ野球選手が十分な練習を行えるようにするために惜しみなく協力します。例えば読売ジャイアンツが使用する沖縄セルラースタジアム那覇は、東京ドームと同じ両翼100m、センター122mで設計されています。他にも中日ドラゴンズがキャンプを行う北谷町では8人が当時に投げられる常設ブルペンが用意されたり。プロ野球選手を支えるための体制をしっかりと整えているからこそ、宮崎・沖縄はプロ野球のキャンプの地として選ばれるのです。