野球用語のセーブについて解説します




今回は野球用語の「セーブ」について解説します。プロ野球を観戦しているとセーブという単語を耳にしたことがあるのではないでしょうか?セーブとは野球用語で、リードしているチームのリリーフ(救援投手)が試合終了までリードを守りきることで得ることができる投手記録です。

(1)セーブが記録されるシチュエーション
(2)NPBの野球が進化する過程で価値を持ったセーブ記録
(3)セーブ記録を持つ名投手をご紹介

(1)セーブが記録されるシチュエーション

ここでセーブが記録されるシチュエーションについて条件をご紹介します

自チームが勝利を得た試合の最後に投げていて、なおかつ勝利投手の記録を得なかった投手にセーブが記録されます。
3点差の場面では、1イニング以上を投げてリードを守りきったリリーフにセーブがつきます。抑えが1イニング限定なのはこの規則によるためです。
2者連続でHRを打たれたら同点になる場面で登板し、リードを守り切ること。例えば5点リードの場面でも、満塁の場面での登板ならセーブが記録されます。
リードを3イニング以上守りながら投げきった場合、点差に関係なくセーブが記録されます。

セーブが記録されるまでの条件は結構、複雑ですよね…実際、プロ野球選手でも完全に把握しきれてない場合があるのも納得です。そこで下記に点差毎のセーブシチュエーションをまとめました。

1点差 1/3イニング以上を抑える
2点差 1/3イニング以上を抑える
3点差 1イニング以上を抑える
4点差 ランナーが2人以上の場面で、1/3イニング以上抑える
5点差 満塁の場面で登板し、1/3イニング以上抑える
6点差 3イニング以上を抑える

(2)NPBの野球が進化する過程で価値を持ったセーブ記録

NPBでセーブが記録として残されるようになったのは1974年からです。記録された初年度の最多セーブ投手がセ・リーグでは星野仙一さんの10セーブ、パ・リーグでは佐藤道朗さんの13セーブです。現在の水準からみると非常に少ないですね…!

セーブが記録されるようになった黎明期の数字が今の水準と比べて少ない原因は、投手の分業制が確立されていなかったのからです。それまで抑えを担当していた投手がチーム事情で急に先発に回ったり、大事な試合ではエースの先発投手が抑えをやったり。現在と比べると非常に行き当たりばったりの投手起用だったのえす。

時は流れ救援投手の価値も高まり、90年代には投手の分業制も確率して、セーブの価値が高まりました。その後は”浜の大魔神”と呼ばれた佐々木主浩さんや、”幕張の防波堤”と呼ばれた小林雅英さんといった数々の名選手が誕生しました。

(3)セーブ記録を持つ名投手をご紹介

NPBで偉大なセーブ記録を残した名投手をご紹介します。いずれも脅威とも言える記録です。

・デニス・サファテ(福岡ソフトバンクホークス)

福岡ソフトバンクホークスの絶対的な守護神、デニス・サファテ投手は年間最多セーブの日本記録を保持します。2017年に47個のセーブで年間最多セーブの日本記録を更新しました。2014年にソフトバンクに移籍してきて以来、セーブ数を37→41→43→47と伸ばし、超人とも言える活躍を見せ続けてくれています。日本での6年間の通算防御率も1.64と抜群の安定感を誇ります。2018年は右股関節の故障のために離脱中なので、早期の復帰が望まれる状況です。

・岩瀬仁紀(中日ドラゴンズ)

中日ドラゴンズのベテラン、岩瀬仁紀投手はプロ野球最多セーブ記録を保持します。そのセーブ数は404と驚愕の数字。魔球とも呼ばれるスライダーを駆使して幾度も中日ドラゴンズを勝利に導いてきました。毎年防御率1点〜2点前半でまとめる安定感も魅力的。40歳を越えた現在は抑えにつなぐ中継ぎの役割を担うことが増えましたが、まだまだ主力として中日ドラゴンズのブルペンを支えています。