球がシュート回転するのですが・・・。シュート回転の直し方を伝授します。




「正しい回転で投げたい」そう思う選手は多いのではないでしょうか。しかし、中には「シュート回転してしまう」や「球の回転が投げるごとに違う」という悩みはありませんか?私自身、学童野球時は球の回転がぐちゃぐちゃで、よく父親から注意されたものです。
今回はシュート回転についての考え方から知っていただければ幸いです。

(1)学童野球時は、球の回転を矯正しなくてもいい
(2)学童野球〜自身の経験から〜
(3)シュート回転はなぜするのか
(4)シュート回転は直す必要があるのか
(5)シュート回転の直し方
(5-1)インステップになる
(5-2)腕が遅れて出ている
(6)自身がシュート回転を直した方法
(7)最後に

(1)学童野球時は、球の回転を矯正しなくてもいい

これはあくまで持論になります。学童野球の選手の多くは身体が出来ておらず、身体全身を使ってボールを投げようとします。また、個人差はありますが、手が小さい選手は、全部の指で握ったり、4本で握って投げる子もいます。このような選手は無理して縦回転で投げるように矯正する必要はありません。腕の出方や、投げる前にトップの位置が安定しているかだけを注意して見るようにしましょう。

(2)学童野球〜自身の経験から〜

小学校高学年より、投手をするようになった私は、前述しておりますが、よく父親に球の回転を綺麗な縦回転にするように注意を受けていました。父がよく言っていた言葉は「お前は何回言っても直らない」だそうです。
ぐちゃぐちゃな回転のまま投げていたのですが、転機は小学6年生でした。ある時、横浜ベースターズ(現DeNA)のプロ野球選手が来る野球教室がありました。その時、私はどなたか覚えていないのですが(当時の記憶だと年配コーチだったかと思います)私の投球練習を見ていただいた時に、球がぐちゃぐちゃなのにまぁまぁ良いボールを投げていると思っていただいたのでしょうか。間近で見ていただいていた時に、父がコーチに「球の回転を直した方がいいのでしょうか」と質問しました。その時「球はそのままで良い。そのまま長所を伸ばしてあげてください」と言われたそうです。私も声をかけていただき、「プロ野球で待ってるよ」という言葉をいただきました。その時に、何を勘違いしたのか、自分は「プロ野球選手になれるんだ」という根拠のない自信が生まれ、そこからプロ野球選手になるまで、一度も自分を信じて疑わなかったことを覚えています。
今思えば、どこからそんな自信が生まれたのか不思議ですが・・・。しかし、この野球教室がきっかけで私はプロ野球になりたいって思ったのを今でも覚えています。

(3)シュート回転はなぜするのか

シュート回転の原因は腕の出し方とリリースポイントの位置です。指先を見ていただきたいのですが、マメはどこにできいますか?リリースポイント時、どちらの指に強くボールがかかっているか確認してください。おそらく人差し指にかかっていることが多いと思います。

(4)シュート回転は直す必要があるのか

投手がシュート回転する場合、その球が強みになっている場合もあるため、一概に直したほうがいいということは言えませんが、野手がシュート回転している場合、直した方がいいです。
なぜ野手はシュート回転を直した方がいいと考えるのでしょうか?答えは、外野からホームは中継プレーなどする際に、綺麗な縦回転で投げたボールは、中継でワンバウンドした場合でも、綺麗にまっすぐバウンドするため、カットマンとしては取りやすいボールになります。
チームによって考え方は変わりますが、上のレベルになるにつれて、守備でのミスを減らすために、相手が取りやすい球で投げるように練習します。シュート回転で投げる選手は、カットマンから注意されたり、指導されたりするケースが多いです。ですので、上を目指そうと考える選手は是非、練習から取り組んでいきましょう。

(5)シュート回転の直し方

シュート回転を直すには、人によって直すポイントが違うため、一概には言えないのですが、全員に共通する部分があります。それは、
「リリースポイントでボールの中心に均等に力を入れること」です。
よく、「腕の振りが遠回りしている」や「腰の回転が横回転」という意見をよく聞きますが、全員にあてはまるとは限りません。自分がリリースポイントで「どういうリリースをしているか」を意識して注意することで、修正できます。

多い事例

(5-1)インステップになる

インステップで投げている選手は、腰の回転が最後まで回っていないことが多く、最後に腕で調整してコントロールしている傾向にあります。こういった選手は、ステップをまっすぐに直すことをオススメします。しかし、注意してほしいのは、ステップをまっすぐにする方法を身体が使い方を知らないのか、身体的理由でできていないのかです。私が見てきた選手の多くは股関節が硬いため、インステップになっているケースでした。
こういった選手は、スローイングの練習よりもまず、股関節の柔軟性を高めるストレッチなどをオススメします。

(5-2)腕が遅れて出ている

腕が遅れて出ている選手は、トップを作れていないことが多いです。また、トップが作れていて、自分では正しいフォームで投げれていると認識していることが多いです。
こういった選手には、トップを通常よりもワンテンポ早く上げる練習をすることをオススメします。トップを早く作ることで、遠回りしていた腕が綺麗に出るようになることもあります。
自分自身の感覚と、実際の動作にズレが生じていることがありますので、そこを直すだけでシュート回転が直るケースもありますので、是非試してみてください。

(6)自身がシュート回転を直した方法

私も恥ずかしながら、大学まではシュート回転しておりました。高校までは特に不自由することなく、シュート回転のまま投げていたのですが、大学に入り、レベルが上がり、今のストレートではダメだと思い、力強いストレートを求めるようになりました。
私が取り組んだ方法は、①リリースポイントを前にすること ②ボールに力をしっかりと伝えること この2点です。
特に、指先のボールのかかり方には注意を払っており、人差し指と中指の両方にマメができるように、指先を確認しながら投げておりました。
ここを意識すると、腕の遠回りがシュート回転の大きな原因であることがわかり、最短距離で身体の近くを通して投げることを意識し始めたら、シュート回転も直り、スピードが速くなりました。
もし、似たような状態でしたら、是非参考に試していただければ幸いです。

(7)最後に

シュート回転については、いい面と悪い面があるため、全員矯正して直した方がいいとは言い切れません。しかし、シュート回転を直したいけど直らないという選手は、身体的理由により、身体が上手く使えていない可能性もあります。
技術だけではない可能性もありますので、色んな角度からアプローチしていくことをオススメします。




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