少年野球の声出しについて




「今日の試合は元気がない。声が出てないから試合に負けた」などと言われたことありませんか?私自身、少年野球時代はよく耳にした言葉で、少年野球あるあるだと思っています。では、この「声出し」にどんな意味があるのかご存知ですか?本日は声出しのメリットについてお話します。

(1) 声出しのメリット
(1-1)シャウト効果
(1-2)情報伝達(確認)効果
(1-3)精神的効果
(2)ポジティブな言葉を使うこと
(3)繰り返し、言葉にすること
(4)声出しについて思うこと
(5)最後に

(1)声出しのメリット

声出しのメリットは大きく3つあると考えます。
・シャウト効果
・情報伝達(確認)効果
・精神的効果

(1-1)シャウト効果

大きな声を出すことで筋出力が高まる現象のことを言います。テニスのシャラポワ選手がボールを打つ瞬間に大きな声を上げるのをご存知でしょうか。その他、ハンマー投げの室伏選手や卓球の張本選手などが挙げられます。このシャウト効果に関してですが、科学的な効果が示されており、5%〜7%の筋力アップするとまで言われています。また、大きい声を出すことで、アドレナリンを一時的に増幅させることができ、一時的に集中力・判断力をアップさせることができます。

(1-2)情報伝達(確認)

スポーツにおいて、意思確認は常に必要となります。野球で言えば、どこに飛んできたらどう処理するのか。誰がカバーリングに入るのか。バッターは何番でどこに打球が飛んでいるか。など、様々な情報を選手たちに共有することによって、ミスの確率を下げます。他のスポーツでも同じように、サッカーやバスケット、ラグビーなどについては、誰にマークについて、どんなサインプレーをするかなど、確認が必要になります。
この情報伝達が選手間で共有できないと、チームとしての一体感が生まれず、選手個々の個人プレー中心となってしまいます。1人1人の動きの確認を、自分自身だけでなく、周りが一緒に共有することでより一体感が生まれます。強豪校になればなるほど、1つのプレーでも細かな確認をしており、より精密さが求められます。

(1-3)精神的効果

試合前になると緊張する、落ち着かないなどの精神的に不安がある場合、声を出すことで精神的に安定させることができます。私もそうでしたが、特にプレッシャーがかかる試合で、自分自身に「ポジティブ」な声かけをすることで、心を落ち着かせたりしました。この方法はセルフトークと言われ、自己会話をします。

私が実施していたときの2つのポイントを紹介します。
「ポジティブな言葉を使うこと」
「繰り返し、言葉にすること」

(2)ポジティブな言葉を使うこと

「自分はできる」「大丈夫」「なんとかなる」などポジティブな言葉を使います。特に試合前、「今までやってきたことができるだろうか」「相手に勝てるのだろうか」など不安になることが多かったです。振り返ってみると、私自身、試合前に気持ちが「ふっきれるかどうか」が良いピッチングができるかどうかのバロメータとなっていました。自分自身にポジティブな言葉をかけることで、不安を和らげ、「自分はできる」と信じて試合に臨めるようになりました。

(3)繰り返し、言葉にすること

当時を振り返ると、同じ言葉を呪文のように何度も何度も繰り返していました。「自分はできる」「大丈夫」と何度も何度も繰り返し言葉にすることで、少しずつ自信が出てきます。心の中で思っているだけではなく、言葉にして何度も繰り返すことで、自己暗示し、緊張せずに臨めるようになりました。

(4)声出しについて思うこと

私自身、少年野球からプロ野球でやっている中で、声出しはとても重要と考えています。自分の意思表示もそうですが、声を出すことでネガティブな気持ちがポジティブに変わることが多かったです。また、チーム全体で声を出すことで、一体感が生まれます。チームスポーツにはとてもメリットがあると私は考えています。
しかし、ただやみくもに声を出すというのは私は意味がないと思っています。気持ちがネガティブになったり、不安の時は声を出して自分自身を鼓舞し、気持ちがプラスになるように取り組んでみてください。

(5)最後に

声を出すことと集中することは別物です。集中する時は声を出さずに、1点を注視し、投げること、打つことに全神経を注いでください。
声を出すことと集中することは全くの別物なので、勘違いしないようにしましょう。