ググるな危険!正しい知識を身につけるには?




インターネットが普及し、インターネットで調べると様々な情報を取得することができる現在。私もわからないことや、知りたいことがあると「Google先生」にいつもお世話になっています。しかし、知りたい情報を調べたいと思ったときに、実は間違った情報が流れているということも少なくありません。ではどうやって知りたい情報を調べればいいのでしょうか。今回はそんな内容を記載していきます。

(1)野球界における間違った知識の振り返り
(1-1)1.練習中に水を飲むのを禁止
(1-2)2.冬場の走り込み、長距離走
(1-3)3.逆シングル捕球
(1-4)4.上から叩け
(2)正しい知識を身につけるために必要なこと

(1)野球界における間違った知識の振り返り

今回は私が感じた野球界の常識の変化について書いていきます。昔ながらの常識が今となっては非常識になっていたりし、かつての常識に縛られているようでは、思考が止まってしまっている可能性があるので注意が必要です。

(1-1)1.練習中に水を飲むのを禁止

昔はこの習慣がありました。私も中学・高校時代にこちらを体験しているのでよくわかります。水を飲まずに耐えることが美徳されていたように感じます。所謂「根性論」ですね。
近年では部活動中に熱中症による死亡事故が起こったりと、多くの問題が起こったこともあり、部活動中の給水は推奨されるようになりました。環境省が立ち上げた「熱中症予防プロジェクト」というサイトでは、お年寄りから子供、スポーツ活動における注意点がまとめられており、国の方針としても、力を入れています。
これから暑くなってくる季節、特にアスリートの皆さんは「喉が乾いたな」と感じた時点で、軽い脱水症状の始まりとなっている可能性があります。アスリートの運動時(部活動時)1時間の発汗量は約2リットルとまで言われています。こまめに水分を取ることが重要です。

(1-2)2.冬場の走り込み、長距離走

冬の時期になると、「ボールは投げれないから」とひたすら走り込みをしていませんでしたか?10キロ・20キロと走るメニューが課せられ、長距離を走ることが美徳とされているケースです。こちらは、現在でも続けているチームがあるとお聞きします。果たして、これは正しいのでしょうか。
私は、これは「無意味」だと考えています。しかし、長距離といっても、疲労回復を目的とした「LSD(ロングスローディスタンス)」などは私は推奨します。あくまでも、10キロや20キロといった長距離走を継続的に行うことは、間違った練習方法だと考えています。
「特異性の原理・原則」はご存知でしょうか?特異性の原理・原則とは、トレーニングなどを行なった場合、その内容や種類によって効果が変わり、トレーニングをした部位や動作に効果があらわれると言うものです。同じアスリートでも、長距離を基本としたトレーニングを行なっていると、長距離が走れるために適した身体へと変わり、本来の目的である「野球選手」に適した身体には変わりません。また、野球においては、短距離などの「速筋」が重要と言われており、長距離などを行う「遅筋」ではないと言われています。瞬発力系が大切になるため、遅筋を鍛えることで、この瞬発力を下げてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

(1-3)3.逆シングル捕球

以前はどんなボールに対しても、打球の正面に入って両手で捕ることが正しいとされてきました。特に三遊間の打球に対して半時計回りに回り込みながら、打球の正面に入ることを基本としていましたが、三遊間の深い打球やグラブの反対側にきた強い打球に関しては、逆シングルでも構わないという考え方になっています。特にメジャーではボールに対して直線的に入り、逆シングルで捕る方が次の動作までが速いという考え方あり、逆シングルから送球までの一連の動作を無駄なくすることが基本とされています。

(1-4)4.上から叩け

こちらは以前、間違った指導法としてご紹介しました。詳しく知りたい方は<少年野球指導者の間違った指導法「上から叩く」「ゴロを打て」について>をご覧いただければと思いますが、簡潔に書きますと、以前はダウンスイングが主流で「上から叩け」という指導が基本でしたが、現在では、カットボールやツーシームといった微妙に変化する球が増えたため、地面と平行に振るレベルスイングが常識となっています。

(2)正しい知識を身につけるために必要なこと

まだまだ色々とありますが、ここ十数年でこれだけ考え方が変わってきています。また、理論で言うと、セイバーメトリクスやフライボール革命など、これから様々なものが仮説として登場し、私たちの常識だったものが非常識になる日が近いかもしれません。
しかし悲しいことに、これだけ様々な理論が出ていても、指導者として自分の価値観を変えられずに、「自分が経験したことが正しい」という教え方をする方が多いです。では正しい知識を身につけるためにどうすればいいのでしょうか?
答えは「常に新しい知識を取り入れること」です。情報化社会で大切なことは、たくさんの知識を自身にインプットし、どれが正しいかを効果・検証していくことです。昔までは「基本」となった部分が、時代とともに、変わったりします。また、今回のように、「常識」と考えらえれていた部分が「非常識」になったりします。常識に捉われていては、思考が止まり、「間違った指導者」として言われるかもしれません。現在の常識を常に正しいかどうか、アンテナを張り、臨機応変に対応できる人こそ、情報化社会に生きる私たちにとっては必要だと考えます。