(1)トップバランスは長距離砲が愛用する傾向
(2)バットコントロールがしやすくなるカウンターバランス
(3)ミドルバランスは平均的な特性
(4)先入観無しにそれぞれのバランスのバットを握ってください
(5)グリップテーピングで更に好みのバランスに調整
(1)トップバランスは長距離砲が愛用する傾向
先端に重心があるトップバランスは、飛距離を出せるバットと言えます。先端に重心があるため、遠心力を活かしてボールをバットに当てた時に遠くまで飛ばすことができます。
実際、プロ野球ではチームの主軸を担う長距離砲と言われている打者達が、トップバランスのバットを愛用しているケースが多いです。北海道日本ハムファイターズの中田翔選手、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手、広島東洋カープの鈴木誠也選手らがトップバランスのバットを使っています。
トップバランスのバットはしっかりと振り抜く技術を求められます。重心が先端にあるため、振った時にヘッドが下がってしまいやすいのです。振り抜く技術がないとスイングが波打ってしまい、しっかりと前に飛ばすことができいません。
(2)バットコントロールがしやすくなるカウンターバランス
カウンターバランスは根元付近に重心があるため、バットコントロールがしやすくなります。ニアバランスと別名で呼ばれる場合もあります。
重心がグリップ近くにある関係で非常に振り抜きやすいです。飛距離を出すのはトップバランスよりも難しくなりますが流し打ちや、インコースへの対応能力が向上します。
トップバランスのバットと異なり、グリップ部分は太くなります。しっかりと握って好みの感触のバットを見つけ出しましょう。
(3)ミドルバランスは平均的な特性
重心がバットの真ん中に設定されているミドルバランスはトップバランスと、カウンターバランスの中間の特性を持っています。ある程度の飛距離を出しつつも、コントールのしやすさも残されています。
「中距離砲」「アベレージヒッター」と呼ばれるタイプがミドルバランスのバットを好んで使う傾向です。読売ジャイアンツの亀井義行選手が好例でしょう。
(4)先入観無しにそれぞれのバランスのバットを握ってください
一点、ご注意いただきたいのが「長距離砲になりたいからトップバランスのバットを使う」ですとか、「安打製造機になりたいからカウンターバランスのバットを使う」などと安易に決めないで頂きたいです。例えば安打製造機と言われているイチロー選手は、トップバランスのバットを愛用しています。トリプルスリーを3度達成した山田哲人選手はミドルバランスのバットで本塁打を量産しています。購入するまえに入念に素振りをして自分に合うバランスを見つけ出しましょう。
(5)グリップテーピングで更に好みのバランスに調整
好みのバランスのバットを見つけ出した後はグリップテーピングで握る部分を好みのバランスに調整しましょう。ツルツルの「フラットタイプ」と、ボコボコした「凸凹タイプ」の2種類から自分が好みの方を選択しましょう。右バッターは右巻き。左バッターは左巻きにテーピングを施してください。
プロ野球選手たちはテーピングで様々な工夫を凝らしています。例えばトップバランスのバットを使いこなすために工夫をこらしています。重心がバットの先端になるためグリップ部分が軽く細くなってしまうので、テーピングを何重にも施して好みの太さに仕上げて操作性を向上させます。晩年の中村紀洋選手は左手の握力が弱まっていたの補うため、テーピングで最適なグリップエンドをつくりあげていました。