野球人口の低下について考える




プロ野球の観客動員が増える一方、野球を競技する子供が減りつつあることをご存知でしょうか?子供の野球人口も2007年から2016年にかけて26.2%も減少したとのこと。そこで今回は野球人口の現状を把握すると共に、原因を追求して考えていきたいと思います。

(1)特に軟式野球離れが深刻
(2)野球人口が低下している原因を探る
(2-1)野球をする環境の減少
(2-2)両親の負担
(2-3)スポーツの多様化
(2-4)少子高齢化の影響
(3)野球の競技人口を増加させることができる希望は残されている
(3-1)プロ野球場の観客動員は増加傾向
(3-2)プロ野球12球団は積極的に地域と交流

(1)特に軟式野球離れが深刻

野球離れが特に深刻なのが軟式野球です。上記は日本高等学校野球連盟が発表している部員数統計を元に作成しました。1990年頃と比較すると2018年は半分以下の水準に下がっています。特に中学校の軟式野球部は更に深刻で7年間で12万人減少して、10年後には0人になる計算とのことです。

(2)野球人口が低下している原因を探る

野球人口の低下は数字に如実にあらわれています。そこで何故、野球人口が低下してしまっているのかの原因を考えてみたいと思います。

(2-1)野球をする環境の減少

現代は気軽に野球をプレーできる環境が減っているので、野球人口を低下させていると考えられます。特に都会だと気軽に野球をプレーできる空き地がありません。広い公園でも球技が禁止されている場合があります。

(2-2)両親の負担

野球人口が低下する原因として考えられるのが両親の負担です。以下が代表的なものです。

・バット、グローブといった用具代
・子供へのお弁当つくり
・お茶出し
・道具の準備
・草むしりなど、グランド整備
・球拾い
・練習相手
・試合の審判
・試合への送迎
・試合中のスコア記録
・試合中の応援
・ユニフォームの洗濯
・その他、お付き合いの食事など…etc

平日に仕事で消耗した後、休日に上記のようなことを担当するのは負担が大きいですよね。

(2-3)スポーツの多様化

スポーツの多様化も野球人口の低下の原因として考えることができます。現代はサッカー、バスケットボール、バレーボールなど子どもたちは様々なスポーツを選択することができます。

(2-4)少子高齢化の影響

最後に考えられるのが少子高齢化の影響です。産まれてくる子供が少なければ、競技に取り組む子供が少なくなるのは必然です。少子高齢化の影響はスポーツだけなくあらゆる分野に現れつつあります。

(3)野球の競技人口を増加させることができる希望は残されている

野球の競技人口はこのまま低下していく一方なのか?希望はしっかりと残されています。

(3-1)プロ野球場の観客動員は増加傾向

野球の競技人口は低下する一方で、プロ野球場の観客動員数は年々、増加しています。

大谷翔平選手をはじめとしたスター選手の登場、近年の広島東洋カープブームと言った追い風もあるのでしょうがプロ野球の観客動員数は増加傾向です。プロ野球場に訪れる観客が増えつつあることは、露出の増加を意味します。露出が増加すれば興味を持つ子供が増えるでしょうから、将来的な競技人口の回復を予感させてくれます。

(3-2)プロ野球12球団は積極的に地域と交流

プロ野球12球団は子供を対象にした野球教室を開催したり、各種施設に慰問に出向いたり積極的に地域交流を行っています。プロ野球12球団が積極的に社会貢献活動を続けることは子どもたちの野球への興味を増加させることに繋がり、競技人口を増加させることに繋がります。