野球用語のホールドについて解説します




野球用語の「ホールド」について解説します。ホールドとは救援投手(リリーフ)を評価するための記録で、セーブ条件を満たした最後の投手でなく、勝ちがつかない投手に与えられます。シンプルに言えば、チームの勝利に繋ぐ役割を担う投手に与えられる記録です。

(1)ホールドの条件を解説
(2)NPBのホールドの歴史は2005年からなのでまだ浅い
(3)日本独自の記録、ホールドポイント
(4)ホールド記録をもつ名投手をご紹介

(1)ホールドの条件を解説

以下の条件をまず満たしている必要があります。

①先発投手、勝ち投手、敗戦投手、セーブ投手のいずれでもないこと
②自チームの最終イニング守備の際、3アウト目をとった投手でないこと
③1アウト以上を取ること
④走者を残して降板した後、その走者が同点または逆転のランナーとしてホームインしていないこと

上記の条件を満たした上で以下のいずれかを達成すればホールドが記録されます。

<自チームがリードしている場合>

①3点以内のリードで1イニング以上を投げる
②抑える2打者に連続本塁打を浴びたら同点、または逆転される場面での登板
③点差に関わらずリード時に登板して、3イニング以上を投げる

<同点の場合>

①同点のままで、失点せずに降板すること
②登板中に自チームが勝ち越した場合、リードを保ったまま降板する

ゲーム展開によっては登板した複数の投手にホールドが記録される場合もあります。

(2)NPBのホールドの歴史は2005年からなのでまだ浅い

NPBでは1996年にパ・リーグがまず導入しました。その後、2005年より新規定を定めてセ・パ交流戦の開始と共に本格導入されました。そのため歴史がまた浅く、通算ホールド数ランキングには現役選手の名前が多く並びます。

【通算ホールド数ランキング】※2018年7/6現在
1位 274 宮西尚生(北海道日本ハムファイターズ)
2位 273 山口鉄也(読売ジャイアンツ)
3位 200 浅尾拓也(中日ドラゴンズ)
4位 166 マシソン(読売ジャイアンツ)
5位 157 五十嵐亮太(福岡ソフトバンクホークス)

なお、2004年まで旧規定のホールドは別扱いで記録が残されています。

(3)日本独自の記録、ホールドポイント

NPBではホールド数+救援勝利の数を合算したホールドポイントという独自記録もつかわれています。このホールドポイントはNPBでの最優秀中継ぎ投手の新しい選考基準として2005年に考案されました

(4)ホールド記録をもつ名投手をご紹介

・宮西尚生(北海道日本ハムファイターズ)

274ホールドで通算ホールド数ランキング1位の宮西投手は正に「鉄腕」という言葉が良く似合うリリーフです。2008年から昨季まで50試合以上登板で、ハイペースでホールド数を稼ぎ続けました。通算601試合に登板していますが、一度も先発投手を経験したことがありません。2017年にはWBC日本代表メンバーに選出され、リリーフのエキスパートとしての熟練の技を見せてくれました。

・山口鉄也(読売ジャアインツ)

通算273ホールドでセ・リーグでNO1の結果を残している山口投手も「鉄腕」という言葉がよく似合うリリーフです。2005年に育成選手として読売ジャイアンツに入団した後、徐々に頭角を現しだし支配下登録に。2009年と、2013年にWBC日本代表メンバーにも選出されました。近年は勤続疲労に苦しんでいるが、復活を期待したいです。

・浅尾拓也(中日ドラゴンズ)

浅尾投手は2010年にシーズン47ホールド、シーズン59ホールドポイント、21試合連続ホールドポイントという日本記録を作り上げました。当時の中日ドラゴンズは8回を浅尾投手、9回を岩瀬投手と鉄壁なリレーを構築することで素晴らしい成績を残しました。セットアッパーとして絶対的な結果を残した浅尾投手ですが、近年は肩・肘の怪我に悩まされています。山口投手同様に復活を期待したいです。