左投手の練習方法にはコーチや監督も頭を抱えるもの。左投手にしかわからない独特な「感覚」が存在すると言われています。
私が指導していく中で、コーチ・監督が右利きのため、左利きの感覚がわからない、何を指摘していいのかわからないという相談を多く受けたため、今回こちらにまとめました。
(1)<前提>左投手の練習について
(1-1)1.クロスファイヤーの練習
(1-2)2.低めの練習
(1-3)3.アウトローの練習
(2)上記の順序を推奨する理由
(3)最後に
(1)<前提>左投手の練習について
私自身の経験を踏まえて、左投手がどんな順序で練習をしていけば上手くなるかを書きました。変化球の練習について書いていないのは、生命線でもあるストレートが大切だと考えているため、まずはストレートに限定して書いております。もちろん、色んな意見があると思いますので、参考にしていただけると嬉しいです。
左投手の投球練習でチェックすべき点がしっかりとできているか、ご確認ください。
(1-1)1.クロスファイヤーの練習
左投手の生命線とも言える「クロスファイヤー」。(クロスファイヤーとは、左投手特有の言い方で、右バッターの内角低めに投げるストレートのことをいいます)
このクロスファイアーに力強く投げられるように練習します。左投手が投げる右打者の内角低めは、腰をしっかりと回転させ、リリースポイントを安定させないと投げられません。この内角低めに”腕を振って””力強いボール”が投げれるように取り組みます。球の回転はシュート回転はNG。シュート回転だと、せっかく右打者の内側を攻めて、詰まらせるボールが投げられたとしても、良い回転だった場合に詰まらせることができるのに、シュート回転によって球が真ん中よりに変化し、ボールを芯で捉えられたりします。生命線であるボールがこれだととても勿体無いです。しっかりとクロスファイヤーを綺麗な回転で投げられることが重要になります。
(1-2)2.低めの練習
クロスファイヤーが投げられるようになると、ある程度コントロールがまとまってくると思います。コントロールがまとまってくると次の課題になります。その課題が「低めの徹底」です。
低めのボールは、下半身をしっかりと使わないと投げることがとても難しいです。小手先だけの投球ですと、高めの球は力強いボールが投げられるのですが、低めのボールだと球が垂れたり(失速)、力のないボールになることが多いです。下半身を使い、リリースポイントを前にすることで、低めにしっかりとした強い球が投げられるようになります。低めは、膝下ギリギリのストライクゾーンに、力強い球が投げられるように練習しましょう。
(1-3)3.アウトローの練習
その次のステップとして、アウトローの出し入れを覚えるのをオススメします。アウトローに投げるには、クロスファイヤーと違い、リリースポイントとタイミングを変える必要があります。このタイミングを覚えることで、アウトローへの投げ方を習得することができます。アウトローへのボールは綺麗な回転で投げられることがベストではありますが、シュート回転でも最初は問題ありません。右打者にとっては逃げていく球になるので、打ちやすくなることはないです。また、シュート回転はリリースポイントのわずかなズレなだけなので、しっかりとアウトローへ投げられるように練習しましょう。
アウトローへ投げられるようになりましたら、ボール球とストライク球の出し入れが出来るように練習しましょう。ここまで出来れば完璧です。
(2)上記の順序を推奨する理由
以上の順番で書きました。私自身、この順序で覚えて行ったのですが、この順序がいいと考える理由は以下のとおりです。
①クロスファイヤーで腰の回転を覚える
②低めの練習で下半身の使い方を覚える
③リリースのポイントと外角へ投げるタイミングを覚える
このようなステップを踏むことで、1つずつクリアできると考えるからです。色々と指導をしてきた中での経験則になりますが、左投手でアウトローに綺麗なボールが投げられるピッチャーは、インコースを投げるのが苦手な投手が多かったです。理由は、腰の回転が最後まで回らなかったり、リリースポイントが近いなどがありました。こういったピッチャーは、しっかりと腰の回転を最後まで回るようにすることや、ステップ足の位置をチェックするなど、インコースへ投げきれない原因を探ることで解決することが多かったです。是非参考にしてください。
(3)最後に
以上のように、左投手が練習すべきことを書きました。今回の内容は中学生〜高校生レベル、大学生など上を目指す人に特にオススメの内容となっています。小学生の投手には、クロスファイヤーの練習も大切ですが、それ以前の
①正しいバランスで投げることができる
②ストライクゾーンに強い球を投げることができる
③低めと高めにしっかりと投げ分けることができる
この3つを優先的に練習していくことで上達していきます。まずは上記の3つができるように練習していきましょう。
[…] 引用元:左投手はこの練習をしなさい!投球練習時に考えること […]