左投手が考える右打者の嫌な打者とは?




どのチームでも「左投手」というだけで重宝される傾向にあります。この理由は、左利きの選手の絶対数が少ないからです。日本人の左利きは全人口の約11%と言われています。約10人に1人しかいないので、どれだけ重宝されるか理解いただけると思います。
また、甲子園などの高校野球を見ていると、最近では150キロ近く投げる本格派は増えてきたものの、まだまだ絶対数が少ないのが現実です。さらに左投手の本格派はほとんど見ることがなく、とても重宝されているのが現状です。

(1)左右投手・左右打者での打ちづらさ順位
(2)左投手が考える右打者の嫌な打者とは
(2-1)インコース低めのストレートを平然と見送る&フルスイング出来る打者
(2-2)アウトコースの変化球に身体が崩されない打者
(2-3)流し打ちが得意なバッター
(3)まとめ

(1)左右投手・左右打者での打ちづらさ順位

一般的に言われている投手対打者の打ちづらさをまとめました。
左打者にとっての左投手>右打者にとっての左投手>右打者にとっての右投手>左打者にとっての右投手 

こちら、ご理解いただけるでしょうか。まず、右投手は各打者対戦する機会が多いため、打者にとって右投手は打ちやすくなります。そして、右投手の投げたボールは左打者ですと、身体に近づいてくる分、打ちやすくなります。右打者にとっての右投手は、外にボールが逃げていくのですが、対戦機会が多い分、打ちづらさが下がります。左投手も同様で、同じように考えていただけると、この順位はより理解しやすくなります。

(2)左投手が考える右打者の嫌な打者とは

さて、ここからが本題です。では、左投手が考える、右打者の嫌だなと感じる打者はどんな打者なのでしょうか。

(2-1)インコース低めのストレートを平然と見送る&フルスイング出来る打者

右打者の方は気づいているでしょうか。左投手は右打者のインコース低めを勝負球にできるよう、日々投球練習をしています。左投手によく使われる「クロスファイヤー」を生命線とし、ここを軸に変化球の練習をしたり、コントロールの精度を上げるために努力しています。
そんな生命線でもある、インコース低めのストレートを平然と見送られたり、フルスイングされると、ピッチャーとして「自分のストレートは今日走っていないのかな」や「相手の方が上手なのかも」と感じることがあります。左投手にとって自信を持って投げている球を余裕を持って対処される打者はとても嫌に感じます。

(2-2)アウトコースの変化球に身体が崩されない打者

アウトコースの変化球を軸がぶれずに対応できる打者はとても嫌です。大半の投手は皆同じですが、打者の軸をいかにずらして打ち取るかを考えます。一部の速球派投手は、ストレートでどれだけ打者を詰まらせられるかを考えたりします。高校生までの投手であれば、個人的には後者の「ストレートでどれだけ打者を詰まらせられるか」を追い求めて欲しいですが、あくまで投手として打者を抑えることを目的とします。
良いバッターほど、変化球に釣られず、軸を保ってスイングしたり見送ったりします。こういったバッターと対戦すると「ボールが見えているのかも」と自分の投げたボールが不安になったりします。特にアウトコースの変化球に反応しないバッターは怖いです。

(2-3)流し打ちが得意なバッター

こちら意外かもしれませんが、流し打ちが得意なバッターは特に注意して投げます。左投手の球は基本的に外角から内角に鋭角に入ってくる球のため、素直に合わせられると綺麗な流し打ちをされることがあります。そのため、インコースのクロスファイアーを十分に活用して抑えていくしかないので、かなり神経を使います。

(3)まとめ

いかがでしたでしょうか。右打者からすると、上記のような点をしっかりと練習すれば、左投手でも有利になります。左投手は、いかにその右打者を攻略していくかが鍵になります。とはいいつつも、打者は3割打てれば上出来ですから、左投手に分があるのは変わりません。
余談ですが、私が現役時代にこの人は凄いと思ったのは、現ソフトバンクの内川聖一選手でした。アウトコースには反応せず、インコースギリギリのクロスファイアーを、腰が上手く回ってホームラン打たれた時は、「超一流ってすごい!」と思ってしまいました。抑えたと思ってホームラン打たれたのは、巨人の阿部慎之助選手と内川聖一選手の2名だけです。
参考にしていただけると幸いです。