野球の投球フォームの一つであるアンダースローについて解説します。身体を沈ませながる投げる姿が”サブマリン(潜水艦)”と表現されることも…!NPBの長い歴史を見渡しても数十人しか登場していないアンダースローについて解説します。
(1)アンダースローとは
(1-1)アンダースローは独特なフォームで幻惑する
(1-2)アンダースローには柔軟性が求められる
(2)アンダースローとオーバースローの違い
(2-1)独特な軌道を描くストレート
(2-2)独特な軌道になるシンカー
(3)アンダースローは絶滅危惧種
(4)左投げはわざわざアンダースローにする必要がない
(5)アンダースローの名手
(1)アンダースローとは
(1-1)アンダースローは独特なフォームで幻惑する
下から上に放り投げるため、独特な投球フォームなので初見の場合は幻惑されるでしょう。他の投球フォームと異なりスピードは出ませんが、打者はタイミングを非常に合わせづらいです。
(1-2)アンダースローには柔軟性が求められる
アンダースローは、柔軟性を強く求められます。身体を沈ませながら投げる必要があるため、身体が硬いと大きな負担が掛かり、怪我に繋がります。
(2)アンダースローとオーバースローの違い
(2-1)独特な軌道を描くストレート
オーバースローと異なり、アンダースローのストレートはホップするような独特な軌道を描きます。アンダースローでは120km~130km程度。オーバースローで放つ剛速球のようなスピードはでませんが、下から浮き上がってくるような独特な軌道に幻惑されて、ことごとくタイミングを狂わされます。
(2-2)独特な軌道になるシンカー
先述の通り、アンダースローから放つ珠は下から浮き上がってくるように幻惑されます。そのため、シンカーのように沈む変化球は更に複雑な軌道になりま打者を幻惑します。
(2-3)フォークは物理的に投げられない
リリースポイントから下からのため、フォークのように挟んで落とす変化球を投げるのは物理的に投げることができません。
(3)アンダースローは絶滅危惧種
独特な軌道の球を投げることができるアンダースローですが、採用している選手が圧倒的に少ないのが現状です。考えられる理由としてはアンダースローを指導できる人材がほとんど存在しないからでしょう。
(4)左投げはわざわざアンダースローにする必要がない
また左投げのサウスポーがアンダースローにすることもほぼ無いです。理由としては左投げというだけで既に珍しい存在なので、わざわざアンダースローに変える必要がないからです。
しかしながら、こういった選手がいないからこそ脚光を浴びるチャンスが大いにあります。将来的には、左利きのアンダースロー投手が出てくると考えています。
(5)アンダースローの名手
・山中浩史(東京ヤクルトスワローズ)
東京ヤクルトスワローズの山中浩史投手は2018年現在、NPBに存在する数少ないアンダースローです。苦労して習得した模様で指導者が存在しない中、アンダースローの習得のために後述の牧田投手を含めた様々な動画を観て研究したとのこと。先発、中継ぎ、様々な場面で独特の幻惑する球でチームに貢献し続けています。
・牧田和久(サンディエゴ・パドレス)
牧田和久投手は日本から野球の本場MLBに輸出されたアンダースロー投手です。アンダースローの希少性を活かした投球技術は随一。プロ1年目から22セーブを残し、プロ2年目には先発として13勝した経験も。クイックの技術も非常に高く、アンダースローの特異性との相乗効果で打者のタイミングを狂わせます。国際大会でもWBCに2回、プレミア12に1回、日本代表として選出されました。